現実?!それとも悪夢?!

お腹がすいて食堂に入りました。

この店は、お好み焼きがメインの人気店です。

広い店内は、ほぼ満席で30、40人が入っているようでした。

さっそくお好み焼きを注文。

少し離れた所に、おじいさんが目をつむって手を上下に動かしながら、踊りの練習のような動作をしているのが、なぜか気になりました。

注文したお好み焼きがテーブルに置かれました。

先ほどの、おじいさんを見たら動きが激しくなってきています。

興奮しているのかな?!

その瞬間、「ガターン、ドーン」

おじいさん床に倒れて痙攣しだしたのです。

すぐにおじいさんのところに行き、机の下から引きずり出しました。

「おじいさん大丈夫?」

返事はありません。

窒息するといけないので、体を横に向け、店員さんに救急車を呼ぶように言いました。

この時、私は異様な光景に出くわしました。

誰もおじいさんに近づかないのです。

それどころか、倒れたおじいさんの存在に気付いていないかのように、笑顔で話しているのです。

????????????

なんだ、これは?

昔、テレビでやっていた「ドッキリカメラ」?!

自分が夢を見ているようで、周り人の様子が何か恐ろしくなってきました。

すると一人の外人の男性が、私の横に来ました。

そして、おじいさんの背中をさすり始めました。

険しい顔で周りを見ながら「People around Japanese?(周りの人は日本人か?)」と聞いてきました。

私は、「Maybe(たぶん)」と言いましたが、同じ日本人として何か恥ずかしい思いになりました。

この外人が、周りの日本人に怒っているのがわかりました。

やっと店員さんが近づいてきて「救急車が来ましたので、もう結構です」と言って立ち去りました。

しかし、救急車のサイレンの音も聞こえず、救急隊員の姿もないので、救急車が来てないのは明らかでした!

何という対応!

しばらくすると、また「救急車が来ましたので、もう結構です」と同じことを言って立ち去りました。

救急車が来ていないのに、店員さんの対応は、「おじいさんを殺害」しようとしているのか、と思えるほど異常なものでした。

結局、救急車が来るまで、この外人と私以外に誰も近づきませんでした。

以前、JR北陸線の特急の中で女性が強姦された事件がありました。

女性が泣いて車両内で男に乱暴されているにもかかわらず、その車両にいた40名近い乗客の誰一人も止めることも通報することもなかったというニュースを聞いて驚いたことがあります。

ほかにも群衆の中で、何か起こっても誰も助けてくれないというニュースは何度か聞いたことがあります。

しかし、自分が体験してみると、「周りの人の無視」に恐ろしくなりました。

昔、電車の先頭車両がおかしな雰囲気だったので、乗ったら20人ぐらいの不良の高校生たちが陣取ってタバコを吸い異様な雰囲気になっていました。

誰も注意しないので「こらー、お前ら何してるねん」と大声で注意したら、「このオッサン電車から落としたれ」とか言われ、詰め寄られて大騒動になったことがありました。

この時も誰も来てくれませんでした。

私がおかしいのかもしれない、そんな気持ちになります。

「トラブルに関わりたくない」「面倒なことになりたくない」「誰かがやってくれる」

その気持ちはわかります。

心理学でも、「傍観者効果」というのがあります。

助けるべき状況であるにもかかわらず、周囲に多くの人がいることによって、援助行動が抑制されてしまう集団心理です。

学校で起こっている「いじめ」や会社の「トラブル」も傍観者効果に起因している場合が多と言われます。

どうすれば、このような問題が解決するのでしょう?

私には、答えはわかりません。

いつか時代が解決するのでしょうか?!

あ!  いけない!

いつの間にか、私も「傍観者効果」に侵されているではありませんか!

反省!!!!

追伸
たくさん人がいる場所で、何か自分に困ったことが起きたら全員に助けを求めるのでなく、周りの人に限定して助けを求める方が効果的という説があります。

傍観者効果は、人数が少ないと起こりにくいからです。

例えば「そこでタバコ吸ってるオッサン助けて」とか。

これより「そこでカッコよく喫煙されてるオニイサン助けてください」かな?!

声のかけ方も難しいですね!

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