先日、散歩していたら道端に大きな蛇がいました。
驚いて、蛇から離れて通り過ぎました。
子供の頃、蛇に触れたことがありましたが、今は触るどころか出会うだけで恐怖心が湧いてきます。
蛇に対するイメージは全く変わりました。
女性の方でも、子供の頃は虫に触れたが、今は無理と思われている方も多いのではないでしょうか。
イメージや思いは、これほどまでに変わるというか、いい加減なものなのですね。
生活をしていると、いろんなイメージや思いが次々と生まれてきます。
「自動思考」と呼ぶそうですが、人は無意識のうちにたくさんのイメージや思いが出てきます。
現代人は、心ここにあらずで、起きている時間の半分は「自動思考」しているらしいです。
私も一人で食事のする時は、何か考え事をしながら食べている時がよくあります。
美味しいと食事に心が戻りますが。
さて、一日の中でたくさん出てくるイメージや思いは、ネガティブなものが多いそうです。
私も、道端の蛇に襲われることはまずないのに、恐怖心というネガティブな思いになっています。
ここに問題が起こります。
それは心理学で「投影」と言うのですが、人は自分の思いで現実を見てしまうそうです。
例えば、嫌な人と思えば、その人の嫌な所ばかり見えてしまうのが良い例です。
子供の頃の苦手教科も同じです。
子供が苦手になった原因を調べると「先生が苦手だった」ことがよくあります。
確かに得意、不得意の原因は、先生で決まる場合が多いように思います。
しかし、得意、不得意になる本当の理由は、子供達が先生や学習に対して、どんなイメージや思いを持つかで決まるのです。
子供たちの捉え方なのです。
その捉え方は人によってクセがあります。
そのクセは、悲観的ものから楽観的なものまで人によって多種多様です。
大切なことは、子供たちが何事もポジティブに捉えることです。
また私たち大人も、そうなるように気を配ることです。
以前にも書きましたが内閣府の国際調査で、日本の子供や若者は世界的にもネガティブです。
自分に自信のない若い世代がたくさんいます。
是非、彼らに対してプラス思考の大切さを教えて頂ければ思います。
最後に、今の日本が、昔の人たちの面白い楽しいというプラス思考で成り立っている部分をご紹介したいと思います。
終戦で焼け野原になった日本が世界第3位の経済大国になりました。
その理由の一つが教育水準の高さにあります。
例えば今から400年前の江戸時代。
面白い楽しいということで庶民の間に数学(和算)が流行ったことがあります。
その火付け役は「塵却記(じんこうき)」という数学書です。
庶民にとっては値段が相当高かったらしいですが、全国に広まりました。
一家に一冊の数学書。
今からでは考えられませんが、子供から大人まで空前の数学ブームが起きます。
ブームは神社仏閣でも起こり、「算額奉納」という、数学の問題や解答を奉納することも行われました。
今でも、数学の問題や解答が奉納されている神社仏閣が三重も含め全国にたくさん残っています。
このブームのおかげで、その当時、和算(数学)で関孝和が世界トップクラスの数学の研究をしています。
面白い楽しいという庶民の思いが形を変え、近代を作ってきたことになります。
参考までに「塵却記(じんこうき)」の問題を書いておきます。
問題:26歳の男性が8歳の少女に一目惚れします。
親に結婚を申し込みますが、あまりに若すぎるということで、少女の年齢がその男性の年齢の半分になったら結婚を許してもらえることになりました。それぞれ何歳のときでしょう?
答え:36歳と18歳
問題:盗賊団の会話が橋の下から聞こえる。盗んできた反物(たんもの)を分配しようとしているようだ。
「7反ずつ分けると8反余るし、8反ずつ分けると7反足りない。どうしたものかなあ」
さて、盗賊は何人で、反物は何反あるか?
答え:盗賊15人。反物113反
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