カリギュラ効果
こちらは禁止や制限をされることで、かえって気になってしまう行動心理学です。
例えば、「○○な人は見てください」と言われるより、「○○な人以外は見ないでください」もしくは【閲覧禁止】と書かれた方が禁止欲によって「見たい!」という衝動に駆られる効果です。「ダメと言われりゃしたくなる…!」ですよね。
皆さんも昔からよく出くわしたんじゃないでしょうか。
私も何度か出くわしました(笑)
雑誌なんかでも「袋とじ」になっているものがありますが、購入しないと簡単には読めないので、ますます中身が気になってしまう。
テレビでもCMの前に顔にモザイクをかけて「気になる人物の正体は!?続きは番組の後半で」などの表現で視聴者を引きつけて番組を最後まで見てもらうのもカリギュラ効果ですね。
ビジネスでは、ここでも出てきますが「会員限定のお得情報配信」や「会員限定コンテンツ」など、特定の人だけが見られるコンテンツを用意し、会員登録を促す方法です。
また、「○○な方以外は見ないでください」と、ターゲットの人の行動を禁止・制限する表現手法も有効です。制限されるとついつい見たくなる気持ちを引き出せます。
利用するときの注意点もあります。
禁止する理由も必ず伝えましょう
なぜ禁止したのか、疑問が解決できないとユーザーは「せっかく閲覧したのに禁止された理由が分からなかった」とストレスを感じてしまい、次のアクションに結びつかなくなるおそれがあります。
商品なども、「手作り商品のため数に限りがあります」などの理由を伝えると、理解を得られるだけでなく付加価値も生まれるでしょう。
過度に禁止しない
禁止を乗り越えるハードルが高すぎると、ターゲットのやる気が削がれ諦められてしまう場合があります。ほどよい強さの制限を見極めて利用しましょう。
返報性の理論
人から何かしらの施しを受けたとき、「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持ちになるという心理作用のことです。
もっと簡単に言うと、借りたものは返したい、人は社会的な秩序は守りたいと感じることからこの心理作用が発生します。
身近で例えるなら、この時期バレンタインデーやホワイトデーなどといったイベントがそうですね。
ビジネスのシーンでもよく利用されています。
食品売場で試食などが代表的。親切な店員さんから試食をすすめられ、おいしいと感じたらもちろん、もしそうでなかったとしても「買わないと申し訳ないな」という心理にさせられますよね。返報性原理を用いたビジネステクニックのひとつです。
他に営業のシーンで、返報性の原理を利用した手法でドア・イン・ザ・フェイス・テクニックがあります。
例えば、セールスの時に一番初めに絶対に躊躇するだろうという販売価格を提案することで相手に断らせます。
そして、次に最初よりも金額を下げた販売価格を提示します。すると相手はその要求された金額を受け入れやすくなります。
「shut the door in the face」(門前払をする)という慣用句の一部を取ったものです。
「初めに断られることを前提で何か大きなお願いをしておいて、断られた際にそれよりも少し程度を軽くして再度お願いをすることで、相手のイエスを獲得しやすくする」という手法が多く使われています。
こちらも注意点がありますね。
返報性の原理は倫理的な問題に気を付けなければいけません。私たちが相手の行為が「恩着せがましい」と感じると、オセロの盤面で白黒がひっくり返るように、感謝の気持ちは拒絶反応へ。あの店はもうこりごりだ、あの人からは今後絶対に買わない、となってしまいます。
返報性の原理を人間関係で使うコツは、「とにかくGive(与える)する」ですね。相手をGiveしてもらうのではなく、まずはこちら側が好意をGiveする。
相手を変えようとするのではなく、まずは自分を変えてみる。そうすることで徐々に相手の態度も変わってきます。鏡の法則と同じですね。
コロナ禍が継続されていてまだまだ自由に行動できる世の中に戻っていけません。
そんな中でも皆さん色々な工夫を凝らして事業を行っておられるのではと思います。 皆さんの企業活動にも行動心理学が活用され、更に発展されることを祈っています!!
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