ふと思いだした懐かしい記憶
小学生の頃、母親の実家によく遊びに行きました。
母方の祖父母は早くに亡くなっていて、ほとんど記憶にないのですが、母の実家には母の兄が住んでいて、私のいとこにあたる年上の兄ちゃんにいつも遊んでもらっていました。
自分より歳が上で本当の兄みたいな存在です。男兄弟がいなかった私は、お兄ちゃんみたいな存在の従兄に本当によくしてもらったなあと、今振り返ると感謝の気持ちでいっぱいです。
同級生と遊ぶより高度なゲームをしたり、歳が離れているので車に乗せてもらったりと凄く楽しかったことを覚えています。
ある日、母の兄(伯父さん)が、今日は山登りに行こう!と誘ってくれました。
軽トラに乗せてもらってトコトコ。
近所だったんですが、そこは普通に歩ける道はすぐになくなり、木を掴みながら荒れた斜面を進んで行きます。
私の家の近くには山はなかったので、そんな体験は初めてでした。結構進んで木を掴みながら上へ進んで行く途中、
「うわーーーーー!」
やらかしました。
足を踏み外してしまい斜面を転がるように落下。
15mくらい下へ落ちたでしょうか。緩い斜面のところで木に引っかかって止まりました。
落下スピードはかなりあったものの、事故のとき特有でしょうか、見えた景色はスローモーションになっているのを感じました。
「あー、痛ってぇー。」
すぐに伯父さんが下に降りてきてくれました。
「大丈夫かー?」
なんかあちこち身体をぶつけているし、ちょっと血がでているんですが、全然意識はあるしで骨が折れたとかでもなさそうだし、大丈夫!ってなったようでした。
でもさすがに山登りはそこで中断、ちょっと安全な道を伯父さんがおぶって降りてくれたような覚えがあります。
伯父さんには本当に迷惑をかけてしまいましたが、親身になって行動してくれて、物凄く優しくしてくれた記憶があります。
それにしても、その時は本当に運が良かったんでしょうね。
下手したらもっと下まで落下していた危険性もありましたし、打ち所が悪かったら意識を失っていたかもしれません。
それ以来、山登りが怖いとか感じているわけではないのですが、すごく良い体験や思い出になったわけではなかったので、その後登山は富士山登山に一度挑戦しただけで、身近なものではないものになってしまった感じです。
こういった記憶は心理学では「自伝的記憶」と言うそうですが、その中の種類でも「エピソード記憶」というそうです。
エピソード記憶とは、自身の過去と関連する記憶のことで、特定の時間・場所で起こる個人的な経験に関連する記憶です。
ある記事を読んでいたら、
「私にもこんな経験があったなー」
と、前述の山から滑落した話を物語的に思い返していました。
幼少期の記憶などはあまりないかもしれませんが、最近の出来事や、アイデンティティ形成期に相当する、青年期から成人前期の記憶は比較的想起しやすい「レミニッセンスバンプ」と言われています。
この自伝的記憶って面白いんです。
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