勉強時間が、1日平均28分の大学生と1日平均11時間の大学生。
どちらがアメリカで、どちらが日本かわかりますか?
28分は日本の文系の大学生
(ちなみに理系は48分)
11時間はアメリカの大学生
(なんとアメリカの大学生の約59%が11時間以上勉強している)
*第48回学生生活実態調査概要報告 2013年文科省*
「日本の未来は大丈夫か?」そんな気持ちになる結果です。
この結果は最近、不祥事を起こしている文部科学省の存在意義も疑ってしまいます。
アメリカは他の先進国と同様、日本のような文部科学省がないのですが立派なものです。
さて、どうして勉強していないのか、夏休みに遊びに来た大学生に聞いてみました。
この学生は、高校生の頃、一生懸命勉強していて精悍な顔つきをしていたのですが、今は気楽な老人のような表情になっています。
「最近は人手不足で、就職は簡単だから勉強は、ほとんどしてない」・・・そんな答えが返ってきました。
私は、その言葉に大変な不安を感じました。
確かに、有効求人倍率も1.6倍を超え、新卒の学生にとっては、どこでも就職できそうなイメージです。
実際、そうなのでしょうか?
平成31年春卒業予定の大学生の求人動向調査で、従業員300人未満の中小企業の求人倍率(学生1人に対する求人数)は9.91倍で現在の調査方法として過去最高。
しかし従業員5千人以上の大企業では、求人倍率が0.37倍まで下がり、学生にとって狭き門となっているのです。(産経ニュース2018.4.26)
大企業も中小企業も私は甲乙つけがたいと思いますが、大企業志向の学生にとっては厳しい就職状況なのです。
それよりも私が一番不安を感じたのは、「就職が楽なら何もしない」という目的のない生き方です。
物事には目的(行為の目指すところ。~のため)と目標(目的を達成するための目印)があります。
例えば、「エンジニアになりたいので工学部を目指す」の場合、目的は「エンジニアになる」で、目標は「工学部に入学する」になります。
お分かりになると思いますが、大切なのは「目的」なのです。
目標は、目的を達成するためのものなのです。
しかし、残念ながら目的と目標が同じになっている生徒がたまにいます。
例えば、彼らにとって「~高校合格、~大学合格」が、目的であり目標なのです。
その結果、入学後、急に勉強しなくなったり、自分を見失ったりすることがあります。
実際、日本全国を見渡すと、今でも5万人近くの高校中退者がいます。
また大学に進学しても卒業後、進学も就職もしない学生が4万人以上もいます。
この原因は、「目的」がないからです。
自分は、「将来~になろう」「こんな生き方をしたい」「将来、こんなことをしてみたい」・・・そんな思いのない子供や若者が多くいるからです。
これは、子供や若者が一方的に悪いわけでなく、大人にも責任があると思います。
「勉強さえしていれば良い」「親の言うことを聞けばよい」等という私たち大人の姿勢を直さなければならないと思います。
こんなことを考えながら、大学生に説教をしてしまいました。
彼に届いていれば良いのですが、説教の後「気楽」な笑顔で帰っていきました。
ぬかに釘?!
最近のコメント