先日蕎麦屋に行きました。
にぎやかな話し声がするので、お客さんが多いと思いきや、客は私を含めて4人。
声の主は、二人の女性店員。
客は、沈黙状態で、この二人の笑い声が店内に響き渡っています。
二人とも、お客様そっちのけです。
トイレに行くついでにカウンター越しに厨房を覗いてみると、店主が一人で大忙しで料理をしています。
「この店主、どうして店員を注意しないのか」と思いながら、トイレの張り紙を見て理由がわかりました。
■パート募集■
短時間OK。そば食べ放題
人手不足が、こんな形で表れていることに驚きました。
「人手不足」は大変な問題ですが、もっと深刻な問題が進行していると思っています。
それは、世間の仕事観が変わってきたことです。
終戦後、日本は焼け野原になり飢餓貧困に陥った戦災孤児などであふれ悲惨な状況でした。
そんな貧しく悲惨な国が、世界第3位の経済大国になったのは、教育水準が高かったこともありますが、素晴らしい仕事観を持っていたからだと思います。
- 勤勉
- 天職
- 心のこもった仕事
- 仕事は修行
- 仕事は人や社会のためにする
・・・・など、日本にはいろいろあると思います。
このような仕事観は、代々受け継がれてきたと思います。
例えば、子供の頃、母は、早朝から晩まで、働きづめでした。
不満ひとつ言わずイキイキと働いている姿から「勤勉」のすばらしさを学びました。
また、
働くとは、傍(はた・隣)楽(らく)
つまり仕事は人のためにする事
・・・社会貢献を、子供の頃、祖母からこんな説明で教えてもらった記憶があります。
また、このような仕事観は、世界中でも稀なものだと思います。
海外はどうでしよう?
例えば、若い頃、イタリアの田舎駅で出発時間を過ぎても電車が出ないので、窓の外を見たら、駅員と乗務員がプラットホームでサッカーをしていました。
日本の駅でそんなことがあったら大ニュースです。
今、世界から時刻表の正確さや「O MO TE NA SHI」が評価されるのは、すばらしい仕事観があるからだと思います。
ただ私は最近、日本の素晴らしい仕事観が、徐々に悪化しているというか、欧米化しているのではないかと心配しています。
例えば、若者に「仕事をする目的」を聞いたアンケートでは、圧倒的に「収入のため」(約85%)が一位で、「人の役に立つ」(約14%)は、最下位クラスでした。
このアンケートは選択肢が2つまで選べるのに残念です。
(内閣府調査|若者白書 平成30年 若者白書16歳~29歳 /特集)
また転職者数も欧米に近づいています。
昨年の日本国内の転職者数は過去最高でした。
(日経新聞2020/2/22)
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